結論から言うと、Mastodon(マストドン)は、特定の1社が運営するのではなく、独立したサーバー(インスタンス)が相互につながって、1つの大きなネットワークをつくる「分散型」のSNSです。広告がなく、投稿が時系列で並ぶことが特徴で、非営利の団体によって開発されています。
ただし、Xなどの一般的なSNSと違い、最初に「どのサーバーに登録するか」を選ぶ必要があります。この点が、始める前の最大のつまずきどころです。この記事では、公式サイトと公式ドキュメントにもとづいて、仕組み、始め方、Xとの違い、気をつけたい点を整理しました。
この記事でわかること
- Mastodonとは何か、なぜ「分散型」と呼ばれるのか
- サーバー(インスタンス)とは何か、どう選ぶか
- 登録の方式(オープン・招待制・承認制)
- アカウント名(@ユーザー名@サーバー)の見方
- Xとの違い、向いている人
- 始める前に確認したいこと、よくある質問
Mastodonとは
Mastodonの公式サイトでは、Mastodonは「売り物ではないソーシャルネットワークサービス」として紹介されています。自由でオープンソースのソフトウェアで、フィード(タイムライン)は、企業が見せたいものではなく、利用者自身が見たいもので構成される、という考え方が示されています。
公式サイトとApp Storeの説明にある主な特徴は、次のとおりです。
| 特徴 | 内容 |
|---|---|
| 分散型 | 独立したサーバーが相互に連携して、1つのネットワークをつくる |
| 広告なし | 公式の説明では、広告を表示しない方針 |
| 時系列 | タイムラインは、投稿が時系列に並ぶ |
| 文字数 | App Storeの説明では、500文字まで投稿できる |
| 非営利 | 非営利団体によって開発され、寄付などで運営されている |
| 投稿の公開範囲 | フォロワー限定、メンションした人だけ、全体公開などを選べる |
| 閲覧注意 | センシティブな内容を、閲覧注意機能で伏せて投稿できる |
なお、500文字という上限は、App Storeの公式説明にある数字です。サーバーによっては、上限が異なる場合があります。
「サーバー」とは何か
Mastodonを理解するうえで、一番大切なのが「サーバー(インスタンス)」です。公式ドキュメントでは、メールのプロバイダーを選ぶように、まず、アカウントを置くサーバーを選ぶ、と説明されています。そのサーバーが、アカウント、プロフィール、ホームフィードを管理します。
ポイントは次のとおりです。
- 各サーバーは、完全に独立した存在で、互いに連携して1つのネットワークをつくります
- サーバーごとに、独自のルールや規則を定められます
- 別のサーバーのアカウントとも、フォローし合えるため、サーバーが違っても交流できます
メールに例えると、「Gmailの人とYahoo!メールの人が、メールをやり取りできる」のと似ています。サーバーが違っても、つながれる、というイメージです。
サーバーの探し方
公式ドキュメントでは、サーバーは、公式サイトで、カテゴリーや言語別に探せると案内されています。公式サイトのトップからは、「mastodon.social」に登録する方法と、「ほかのサーバーを探す」からサーバー一覧を見る方法があります。
主な機能
App Storeの公式説明に挙げられている、主な機能は次のとおりです。
- 投稿:500文字まで(App Storeの説明)。カスタム絵文字、画像、GIF、動画、音声も使えます
- 返信とブースト:スレッドに返事をしたり、他の人の投稿を「ブースト」して共有したりできます
- 閲覧注意(コンテンツ警告):センシティブな内容を伏せて、見たくない人に配慮した投稿ができます
- 投票機能:フォロワーの意見を、投票形式で集計できます
- 探索:話題のハッシュタグやアカウントに、すぐにアクセスできます
- 通知設定:新しいフォロー、返信、ブーストがあったときに、通知を受け取れます
- ダークモード:ライトモードのほか、ダークモードなどで閲覧できます
SNSに慣れている方なら、基本の使い方(投稿・返信・フォロー)は、大きく迷わないはずです。違いが出るのは、「どのサーバーに所属するか」と、「サーバーごとのルール」の部分です。
始め方の流れ(目安)
具体的な画面や手順は、アプリの更新で変わることがあるため、ここでは、全体の流れの目安を整理します。
- サーバーを選ぶ:公式サイトのサーバー一覧から、カテゴリーや言語で探します。迷ったら、公式サイトで案内されている「mastodon.social」から始める方法もあります
- サーバーの方針と利用規約を読む:登録方式(オープン・招待制・承認制)も、ここで確認します
- アカウントを登録する:ユーザー名、メールアドレス、パスワードなどを入力します。承認制のサーバーでは、参加理由を書いて、承認を待ちます
- プロフィールを作る:名前、自己紹介、アイコンなどを設定します
- フォローして、タイムラインを見る:気になるアカウントや、ハッシュタグを探して、フォローします
最初から、たくさん投稿しようとせず、まずは、タイムラインを眺めて、そのサーバーの雰囲気をつかむと、安心して始められます。
登録の方式は3種類
公式ドキュメントによると、サーバーによって、登録の方式が異なります。
| 方式 | 内容 |
|---|---|
| オープン登録 | ユーザー名、メールアドレス、パスワードを入力すれば、すぐ利用できる |
| 招待制 | 登録フォームがなく、招待リンクから登録する |
| 承認制 | 登録時に参加理由を書き、モデレーター(管理者)の承認を得てから利用できる |
登録前に、サーバーの方針や利用規約を確認することが勧められています。通常は、ログイン前のトップページの「learn more」から見られる、とされています。
アカウント名の読み方
Mastodonのユーザー名は、「@ユーザー名@サーバーのドメイン」という形式です(例:@alice@example.com)。メールアドレスに似た構成です。
- 同じサーバー内の人には、「@alice」のように、ドメインを省略できます
- 他のサーバーの人に共有するときは、ドメインを含めると、見つけてもらいやすくなります
- プロフィールのURL(https://example.com/@alice)を共有する方法もあります
- 同じユーザー名が、別のサーバーで使われていることもあるため、別のサーバーの同名のユーザーは、別人の可能性があります
Xとの違い
| 項目 | Mastodon | X |
|---|---|---|
| 運営 | 独立したサーバーの集まり | 1つの事業者 |
| 広告 | 公式の説明では、広告なし | サービスの仕様による |
| タイムライン | 時系列 | サービスの仕様による |
| ルール | サーバーごとに異なる | サービス全体で共通 |
| 登録 | サーバーを選ぶ必要がある | 1つのサービスに登録 |
Xの仕様は変更されることがあるため、この表では、「サービスの仕様による」としています。最新の仕様は、各サービスの公式情報をご確認ください。
始める前に確認したいこと
1. サーバー選びは、慎重に
サーバーによって、ルール、雰囲気、登録方式、投稿できる文字数、管理者の方針が異なります。登録前に、利用規約と方針に目を通しましょう。サーバーを変えたくなったときの方法は、この記事では扱いません。公式ドキュメントでご確認ください。
2. 公開範囲を確認する
投稿は、設定によって、全世界に公開されます。App Storeの説明では、投稿の公開範囲は「フォロワー限定」「メンションした特定のユーザーにだけ共有」「全体公開」などから選べる、とされています。投稿する前に、公開範囲を確認する習慣をつけましょう。
3. ブロック・通報の機能を知っておく
App Storeの説明では、各コミュニティ(サーバー)にガイドラインと管理者・モデレーターがおり、ブロックや通報の機能もあると案内されています。困ったときは、ブロックや通報を使うことができます。
4. 個人情報の扱い
SNS共通の注意ですが、住所、勤務先、連絡先など、個人が特定されやすい情報は、投稿しないようにしましょう。
どんな人に向いているか
- 広告や、アルゴリズムに左右されない、時系列のタイムラインで使いたい方
- 趣味や関心でつながる、小さなコミュニティで交流したい方
- 運営の透明性や、非営利の運営方針に関心がある方
一方、「誰もが知っている、大きなSNSで、すぐに多くの人とつながりたい」方には、サーバー選びなどの手間が負担になる場合があります。
よくある質問(FAQ)
Q1. 無料で使えますか?
App Storeの表示では、アプリは「無料」です(2026年10月12日確認)。公式の説明では、開発は利用者の寄付によって成り立っているとされています。
Q2. 年齢制限はありますか?
App Storeの年齢区分は17+です。公式ドキュメントの登録のページには、年齢制限の記載は確認できませんでした。サーバーごとに利用規約で、年齢が定められている場合がありますので、登録前に確認してください。
Q3. 日本語のサーバーはありますか?
公式ドキュメントでは、サーバーは、カテゴリーや言語別に探せると案内されています。公式サイトのサーバー一覧で、言語を指定して探してみてください。
Q4. アカウントのサーバーは、あとで変えられますか?
この記事では、移行の手順は扱いません。サーバーを変えたい場合は、公式ドキュメントで、最新の方法をご確認ください。
まとめ
- Mastodonは、独立したサーバーが連携する、分散型のSNSで、非営利の団体によって開発されています
- 広告なし、時系列のタイムラインが特徴です
- 始めるときは、サーバーを選び、その登録方式(オープン・招待制・承認制)に従います
- アカウント名は「@ユーザー名@サーバー」で、別のサーバーとも交流できます
- 仕様やルールはサーバーごとに異なります。登録前に、サーバーの利用規約と方針を確認しましょう
参考にした公式情報(2026年10月12日確認)
- Mastodon 公式サイト(日本語):https://joinmastodon.org/ja
- Mastodon ドキュメント「Signing up」(アカウントの作成):https://docs.joinmastodon.org/user/signup/
- Mastodon GmbH「Mastodon」App Store 公式説明:https://apps.apple.com/jp/app/mastodon/id1571998974

