結論から言うと、2025年にSNSがきっかけで犯罪被害にあった小学生は167人で、統計のある2008年以降で過去最多になりました。
警察庁が2026年2月26日に公表したまとめによると、この167人という数字は2021年の83人からわずか4年で倍増した計算です。
背景には、小学生のスマホ・インターネット利用が急速に広がっていることと、「文字だけのやり取りでは相手の本当の姿が見えない」というSNS特有のリスクがあります。
この記事でわかること
- 小学生のSNS関連被害が実際どれくらい増えているか(警察庁の最新データ)
- こども家庭庁の調査から見る、小学生のスマホ・SNS利用の実態
- いじめ・高額課金・個人情報流出・性的被害など、具体的なトラブルの種類
- トラブルが起きやすい背景・理由
- 保護者が今日からできる具体的な対策とよくある質問
小学生のSNS被害はどれくらい増えている?警察庁の最新データ
結論として、小学生のSNS関連被害は「統計開始以来、最多」の水準にあります。
警察庁が2026年2月26日に公表した「少年非行、児童虐待及び子供の性被害の状況」(2025年分)によると、SNSでのやり取りをきっかけに2025年に犯罪被害にあった18歳未満の子どもは1566人でした。
これは前年から80人増えており、実は6年ぶりの増加という点も見逃せません。
そのうち小学生は31人増の167人で、統計のある2008年以降で最多を記録しています。
内訳を見ると、中学生は前年比43人増の758人、高校生は3人減の579人、その他が9人増の62人でした。
高校生の被害はここ数年減少傾向にある一方、中学生・小学生の被害者数は増加が続いていると報告されています。
罪種別では、不同意性交等が42人増の329人、不同意わいせつが83人増の185人となっており、この2つの罪種が全体の増加を押し上げています。
小学生の被害167人を年齢別に見ると、12歳57人、11歳71人、10歳25人、9歳7人、8歳7人という内訳で、女子が160人、男子が7人と、被害の大半を女子児童が占めています。
罪種別では、不同意わいせつ55人、児童ポルノ45人、不同意性交等24人の順に多くなっています。
容疑者と知り合ったツール別では、インスタグラムが8人増の36人で最も多く、TikTok(ティックトック)が8人増の30人で続きました。
さらに、これまであまり目立たなかった10代向けアプリがきっかけの被害も相次いでおり、アバターで交流できる「ZEPETO(ゼペット)」で14人、通話しながら動画やゲームを一緒に楽しめる「パラレル」で12人の被害が確認されています。
オンラインゲーム経由の被害は前年と同じ22人で、「荒野行動」が6人と最も多くなっています。
「小学生だからまだ大丈夫」ではなく、「小学生だからこそ、身近なアプリを通じて狙われやすい」という現実を、まず数字として受け止めておく必要があると筆者は考えています。
小学生のインターネット・SNS利用はどれくらい増えている?
被害が増えている背景には、そもそもの利用者数の増加があります。
こども家庭庁が2025年2月に速報を公表し、同年3月に概要をまとめた「令和6年度青少年のインターネット利用環境実態調査」によると、小学生(10歳以上)の97.2%がインターネットを利用していると回答しています。
この調査は令和6年11月1日から12月16日にかけて実施されたもので、中学生は98.1%、高校生は99.4%とさらに高い利用率でした。
1日あたりの平均利用時間を見ると、小学生は約2時間から3時間半、中学生は約4時間半、高校生は6時間近くにのぼります。
利用内容では、「動画を見る」が93.1%で最も多く、次いで「ゲームをする」84.9%、「検索する」83.9%、「勉強をする」75.9%、そして「投稿やメッセージを交換する」が73.6%という結果でした。
スマートフォンの子供専用率も、小学生(10歳以上)で72.0%と、前年度の令和5年度調査(70.4%)から上昇しています。
「まだ小学生だから大丈夫」と考える保護者もいますが、実際には7割前後の小学生がスマホを専用で持ち、7割以上が投稿やメッセージのやり取りをしている状況です。
この数字を見ても、SNSトラブルはもはや「一部の家庭の話」ではなく、どの家庭にも起こりうる身近なテーマになっていると言えます。
最新の詳しい数値や年度ごとの変化は、こども家庭庁の公式ページでも確認できます。
小学生に多いSNSトラブルとは?具体的な事例で見る
ここでは、実際に起きやすいとされるSNSトラブルを、種類ごとに確認していきます。
仲間外れやいじめにつながるケース
SNSのグループから一人だけ外したり、悪口を書き込んだりしているうちに内容がエスカレートし、学校でのいじめに発展することがあります。
文字だけのやり取りは気持ちが正確に伝わりにくく、予測変換で意図しない言葉を誤送信してしまい、相手を怒らせてしまうこともあります。
軽い気持ちで投稿した内容が、相手を深く傷つけてしまうケースがある点は、大人が特に意識しておきたいポイントです。
ゲームの高額課金やワンクリック詐欺
無料のゲームで遊んでいるうちに有料サイトへ誘導され、保護者のアカウントに登録されたクレジットカード情報から、気づかないうちに高額課金が発生してしまうことがあります。
何気なくタップした先が、料金を請求される「ワンクリック詐欺」だったというケースも報告されています。
こうした詐欺の場合、子どもが保護者に相談しづらく、被害が広がりやすい点にも注意が必要です。
個人情報の特定・ストーカー被害につながるケース
SNSに投稿した写真から個人情報が特定され、住所などが拡散されてしまうことがあります。
写真の瞳に映り込んだ景色や、背景に写る建物・看板から、住んでいる場所や通っている学校が特定されてしまうケースもあるため注意が必要です。
連れ去りや性的な被害
SNS上では相手の本当の姿が見えないため、同世代だと思ってやり取りしていた相手が、実は大人だったというケースが起きています。
先ほど紹介した通り、2025年にはSNSをきっかけとした犯罪被害にあった小学生が167人にのぼり、罪種別では不同意わいせつ55人、児童ポルノ45人、不同意性交等24人が多くを占めています。
容疑者と知り合ったきっかけとして、インスタグラムやTikTok、ZEPETOやパラレルといった身近なSNS・アプリが上位に挙がっている点は、保護者としても押さえておきたい事実です。
つまり被害は「見知らぬ怪しいサイト」からとは限らず、日常的に使っているアプリの中で起きているという現実があります。
違法アップロードなどの著作権侵害
好きなキャラクターの画像やアイドルの写真を投稿することが著作権侵害にあたると知らない子どもも少なくありません。
悪意なくアップロードした投稿でも、著作権侵害として訴えられる可能性があり、SNS上での評判がよいからと投稿を続けた結果、トラブルに発展した事例もあります。
こうして事例を並べてみると、SNSトラブルは「悪意のある大人からの被害」だけでなく、「子ども自身の何気ない行動」がきっかけになるケースも多いことが分かります。
この二方向のリスクを理解しておくことが、対策を考えるうえでの出発点になると考えられます。
なぜ小学生はSNSトラブルに巻き込まれやすいのか
小学生がSNSを使う主な理由は、学校の友達やオンラインゲームで知り合った相手とのコミュニケーションです。
興味のあることを気軽にやり取りできる点はSNSの良さですが、社会経験の少ない小学生は言葉が足りなかったり、軽率な投稿をしてしまったりしやすい傾向があります。
また、インスタグラム、X(旧Twitter)、YouTube、TikTokにはいずれも年齢制限があり、13歳未満はアカウントを作成できない仕組みになっています。
このルールを知らずに、あるいは知っていても保護者のアカウントを借りるなどして利用してしまう子どもがいることも、トラブルの背景の一つと考えられます。
さらに、ZEPETOやパラレルのように、若い世代の間で急速に広まりつつも保護者の認知度がまだ低いアプリが被害のきっかけになっている点も見逃せません。
新しいアプリが流行するスピードに、家庭でのルール作りや見守りが追いついていないという構造そのものが、リスクを高めていると筆者は見ています。
保護者が今日からできる5つの対策
トラブルを未然に防ぐために、保護者ができる具体的な対策を整理します。
- ペアレンタルコントロールで、フィルタリング・利用時間・課金を制限する
- スマホを使う場所や時間など、家庭内でのルールを決める
- SNSの使い方や危険性について、子どもによく話しておく
- 各SNSの年齢制限(13歳未満は不可)を家庭で共有する
- 何かあったときすぐ相談できる雰囲気を日頃から作っておく
まずは、この5つを家庭でひとつずつ確認してみましょう。
特に大切なのは、最後の「相談しやすい雰囲気作り」です。
子どもがルールを破るのではないかと警戒しすぎると、何かトラブルが起きたときに「怒られるかもしれない」と感じて相談できなくなってしまいます。
普段からコミュニケーションを取り、困ったときはすぐ話してよいという安心感を持たせておくことが、被害の拡大を防ぐ最も効果的な対策の一つだと筆者は考えています。
なお、こども家庭庁の調査では、家庭でルールを決めていると回答した保護者が77.8%だったのに対し、青少年本人は67.5%にとどまり、親子間で認識にズレがあることも分かっています。
「うちはルールを決めているから大丈夫」と思っていても、実際には子どもにきちんと伝わっていない場合があるという点は、意識しておきたいポイントです。
筆者の考察:小学生とSNSの関わり方は今後どうなるか
ここからは、家電量販店のスマホ相談コーナーや社内のITサポート業務で、子どものスマホ利用に関する相談を数多く受けてきた経験も踏まえた、筆者としての見解です。
まず押さえておきたいのは、SNS利用そのものが悪いわけではないという点です。
子どもなりに考えていることや感じたことを発信し、友達や家族とつながる場としてのSNSには、確かにプラスの側面もあります。
一方で、警察庁のまとめで小学生の被害が2021年の83人から2025年には167人へと4年で倍増したという数字は、単なる一時的な増加ではなく、構造的な変化として受け止める必要があると筆者は考えています。
こども家庭庁の調査でも小学生(10歳以上)の97.2%がインターネットを利用し、7割以上が投稿やメッセージ交換をしているという結果が出ており、利用の広がりと被害の増加は、同じ流れの中で起きていると見るのが自然です。
個人的に注目しているのは、容疑者と知り合ったきっかけとして、インスタグラムやTikTokに加え、ZEPETOやパラレルといった比較的新しいアプリの名前が上位に挙がっている点です。
保護者世代にとってはあまり馴染みのないアプリが被害のきっかけになっているという事実は、「知っているアプリだけ気をつければよい」という発想では対策が追いつかなくなっていることを示していると感じます。
また、家庭でルールを決めていると答えた保護者と子どもの間に約10ポイントの認識のズレがあるという調査結果も、筆者にとって印象に残ったデータです。
「うちはルールを決めているから安心」で終わらせず、子ども自身がそのルールをどう理解しているかを、定期的に確認し直す工程が今後さらに重要になっていくと考えています。
不安をあおるのではなく、「まずは今のスマホの使い方を、親子で一緒に確認してみる」という落ち着いた姿勢が、結果的に一番効果のある対策になるのではないでしょうか。
よくある質問
小学生はいつからSNSを使えるようになりますか?
インスタグラム、X(旧Twitter)、YouTube、TikTokなどの主要SNSは、いずれも13歳未満のアカウント作成を認めていません。
小学生のうちは、保護者のアカウントを共有する形も含めて、利用を控えるか、内容を保護者が把握できる範囲にとどめるのが安心です。
表示や規約は変更される場合があるため、最新の年齢条件は各SNSの公式ヘルプもあわせて確認してください。
小学生のSNS被害は本当に増えているのですか?
はい。警察庁が2026年2月26日に公表した「少年非行、児童虐待及び子供の性被害の状況」(2025年分)によると、2025年にSNSをきっかけに犯罪被害にあった小学生は167人と、統計のある2008年以降で過去最多となっています。
2021年の83人から見ると、わずか4年で倍増している計算です。
18歳未満全体でも、被害者数は前年から80人増の1566人と、6年ぶりに増加しています。
子どもが高額課金をしてしまったらどうすればいいですか?
まずは利用履歴・購入履歴を確認し、クレジットカード会社やゲーム運営元のサポート窓口に早めに相談することが大切です。
未成年者による意図しない課金として、返金や取り消しの対応をしてもらえる場合があります。
今後は、アプリ内課金に上限を設定できるペアレンタルコントロール機能を活用しておくと安心です。
まとめ
小学生のSNS関連被害は、警察庁のまとめで2025年に167人と過去最多を記録し、いじめ・高額課金・個人情報流出・性的被害・著作権侵害など、内容も原因も多岐にわたります。
背景には、こども家庭庁の調査で小学生の97.2%がインターネットを利用しているという実態があり、言葉だけのやり取りによる誤解や、相手の本当の姿が見えないというSNS特有のリスクが重なっています。
まずはペアレンタルコントロールやルール作りといった仕組みの対策を整え、そのうえで子どもと日頃から話し合える関係を作っておくことが、トラブルを防ぐ一番の近道だと言えるでしょう。
この記事は2026年7月時点の情報をもとに作成しています。統計データやSNSアプリの仕様・年齢制限のルールは変更される場合があるため、最新情報は警察庁・こども家庭庁・各公式ヘルプもあわせて確認してください。

