結論から言うと、婚活でマッチングアプリを使うときは、「自分の目的(結婚を前提にするか)に合うアプリを選ぶ」「安全対策を確認する」「お金の話が出たら、すぐに疑う」の3つを押さえておくのが、基本です。マッチングアプリは、いまや、結婚につながる出会い方の一つとして、公的な調査でも確認されています。一方で、アプリをきっかけにした投資詐欺(ロマンス投資詐欺)の被害も、増えています。
この記事では、公的機関の情報をもとに、アプリが選ばれている背景、アプリを比べるときの視点、安全に使うための考え方を整理しました。特定のアプリをランキングする記事ではありません。「どれが一番か」ではなく、「自分に合うものを、安全に選ぶ」ための記事です。
この記事でわかること
- 公的調査からわかる、結婚の出会い方の変化
- マッチングアプリを比べるときの視点
- 婚活アプリで注意したい、ロマンス投資詐欺の流れ
- 国民生活センターのチェックリスト
- 実際に会うときの基本的な安全対策
- 困ったときの相談先
出会い方は、どう変わってきたのか
国立社会保障・人口問題研究所の「第16回出生動向基本調査」(2021年)では、結婚に至る出会いの変化が、次のようにまとめられています。
| 項目 | 内容(出生動向基本調査より) |
|---|---|
| 「ネットで」知り合った夫婦の割合 | 2015年7月〜2018年6月に結婚した夫婦では6.0%。2018年7月〜2021年6月に結婚した夫婦では13.6% |
| 「職場や仕事で」知り合った夫婦の割合 | 過去の調査では3割を占めていた。28.2%から21.4%に低下 |
| 恋人・婚約者がいる未婚者で「ネットで」知り合った割合 | 男性11.9%、女性17.9%(10人に1人以上) |
| 前回調査との変化 | 交際相手と知り合ったきっかけでは、「友人や兄弟姉妹を通じて」「職場や仕事の関係で」が減少 |
調査では、「ネット(インターネット)で」という選択肢を、SNSやマッチングアプリなど、個人間の交流の場をオンラインで提供するサービスを用いて知り合った場合を想定したものとして、新たに加えています。
この数字の読み方
- 「ネットで」の13.6%は、SNSやアプリなど、インターネットを使ったサービス全体の数字です。マッチングアプリだけの数字ではありません
- 調査期間は、新型コロナの感染拡大期を含んでいます
- 「職場」が減ったことは、働き方や、生活環境の変化の影響も考えられますが、調査は、その理由を特定していません
民間の調査会社や、アプリ運営会社が公表する「アプリでの結婚の割合」は、調査の対象や方法が異なります。比べるときは、誰を対象に、いつ、どう聞いた調査かを、確認しましょう。
マッチングアプリを比べる視点
アプリごとの「成婚率」や「ランキング」の数字を、そのまま比べるのは、おすすめしません。調査の方法や、定義が、それぞれ違うためです。次のような視点で、自分に合うかを考えるほうが、現実的です。
| 視点 | 確認すること |
|---|---|
| 目的 | 結婚を前提とした出会いか、まずは交際を探すのか。アプリの説明や、利用規約を確認する |
| 会員層・年代 | 自分の年代・条件に合う、会員がいるか。公式サイトの説明や、公表されている情報を確認する |
| 料金体系 | 男女で料金が異なるか。無料の範囲と、有料の範囲。自動更新の有無や、解約方法 |
| 本人確認・年齢確認 | 公的書類による確認の有無。18歳未満の利用を禁止し、年齢を確認しているか |
| 安全対策 | 通報・ブロック機能、24時間体制の監視などの、公式の説明 |
| 運営事業者 | 運営会社の情報が、公式サイトに明記されているか |
| 退会のしやすさ | 退会の手順と、データの扱い |
「届出」の確認
警視庁の説明では、面識のない異性との交際を希望する人の求めに応じて、異性交際に関する情報をインターネット上で公開し、利用者同士が連絡できるサービスを、反復継続して提供する事業は、「インターネット異性紹介事業」にあたるとされています。この事業を行うには、公安委員会への届出が、法律で義務づけられています。
すべてのマッチングアプリが、この事業に該当するわけではなく、該当するかどうかは、サービスの内容によります。公式サイトに、事業者の情報や、届出に関する表示があるかを、見る方法もあります。この記事では、個別のアプリが該当するかどうかは、判断しません。
数字の「見え方」に注意
| 数字の例 | 見るときの注意 |
|---|---|
| 会員数 | 累計か、現在の利用者かで、意味が異なる |
| 成婚率・結婚できた割合 | 定義(何をもって「結婚」とするか)、対象、調査方法が、アプリごとに異なる |
| 口コミ・評判 | 個人の感想であり、状況によって異なる。運営者側の掲載(広告)に注意 |
| 「No.1」の表示 | 調査機関や、調査の条件が、小さく書かれている場合がある |
婚活アプリで、まず知っておきたい注意点
ロマンス投資詐欺とは
国民生活センターは、マッチングアプリ等で知り合った人から、投資を勧められ、お金をだまし取られる「ロマンス投資詐欺」について、注意を呼びかけています。典型的な流れは、次のように整理されています。
| 順序 | 内容(国民生活センターの相談事例より) |
|---|---|
| 1 | マッチングアプリで知り合い、早い段階で、無料の通話アプリやSNSに移るよう提案される |
| 2 | 頻繁に連絡を取り、親密さを強調される |
| 3 | 相手が、投資で利益を得ていることや、投資に詳しい親族の存在を話す |
| 4 | 「結婚後の資金」「二人の将来のため」などを理由に、投資を持ちかけられる |
| 5 | 暗号資産の取引所や、FXの口座の開設を指示される |
| 6 | 指定された口座に送金させられ、アプリ上では、利益が出ているように見せられる |
| 7 | 追加の送金を求められ、出金を依頼すると、連絡が途絶える |
相談事例では、暗号資産の送金額の合計が、100万円を超えるものや、合計で210万円を投資したものも紹介されています。お金を取り戻すことは、極めて困難とされています。
国民生活センターのチェックリスト
国民生活センターは、「愛してるから投資して」っておかしくない!?と題して、次のようなチェックリストを公表しています。なお、国民生活センターは、このリストは相談内容をもとに作ったもので、本来の目的で利用している人にも、一部が当てはまることがある、また、当てはまらなくても、安心とは言えないと、注意しています。
| 分類 | 項目の例 |
|---|---|
| 相手の特徴 | 自称外国人や、外国の在住経験がある日本人、不自然な日本語、暗号資産やFXでもうけている、趣味は投資や資産運用、副業で投資をやっている |
| 連絡の取り方 | マッチングアプリから、早々に、LINE等のSNSへの変更を提案する、まめな連絡 |
| 投資の誘い文句 | 「投資に詳しい家族や親戚の言うとおりに投資すれば、もうかるよ」「結婚するなら金銭感覚が近い人が良いから、一緒に資産運用しよう」「結婚の資金を貯めるために投資しよう」「豊かな結婚生活のために投資は重要だよ」 |
国民生活センターのアドバイスは、マッチングアプリ等で知り合った相手の指示で、投資をするのはやめる、不安を感じたら、すぐに消費生活センター等に相談する、というものです。
被害の状況
警察庁の公表(令和7年10月末・暫定値)では、SNS型ロマンス詐欺の認知件数は4,506件(前年同期比+1,512件、+50.5%)、被害額は425.6億円(前年同期比+111.0億円、+35.3%)とされています。最初の接触手段は、「マッチングアプリ」が全体の32.9%で最多とされています。マッチングアプリからの被害では、「暗号資産投資」の名目が、約半数を占めるとされています。
「自分は大丈夫」と思わず、「お金の話が出たら、疑う」と決めておくことが、最も確実な防ぎ方です。
実際に会うときの基本
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 最初は公共の場所で | 人目のある、昼間の場所を選ぶ |
| 個人情報は慎重に | 住所、勤務先、家族の情報などは、やり取りを重ねて、信頼できるかを見極めてから |
| 家族・友人に伝える | 会う予定と、場所を、信頼できる人に伝えておく |
| 密室を避ける | 車や、自宅など、密室になる場所へは、行かない |
| 不安なら、会わない | 少しでも不安を感じたら、断る。ブロックや通報も、選択肢 |
| お金の話は、断る | 投資、貸し借り、高額な買い物の勧誘は、きっぱり断る |
困ったとき、相談したいとき
| 相談先 | 内容 |
|---|---|
| 消費者ホットライン「188」 | 最寄りの消費生活センター等につながる。投資のトラブルなど |
| 警察相談専用電話「#9110」 | 詐欺や、つきまといなどの被害の相談 |
| アプリの運営会社 | 通報、ブロック、利用停止の相談 |
警察庁は、一度も会ったことのない人から、暗号資産等への投資を求められた場合は、詐欺を疑い、すぐに警察相談専用電話(#9110)に相談するよう案内しています。お金を送る前に、相談することが大切です。
登録前のチェックリスト
| 確認すること | OK? |
|---|---|
| 18歳以上で、アプリの利用条件を満たしているか | |
| 自分の目的(結婚を前提か)と、アプリの方針が合っているか | |
| 料金体系・自動更新・解約の方法を確認したか | |
| 本人確認・年齢確認の方法を確認したか | |
| 運営会社の情報が、公式サイトに明記されているか | |
| 通報・ブロックなど、安全機能を確認したか | |
| 「お金の話が出たら疑う」と、決めているか | |
| 相談先(188、#9110)を、控えたか |
よくある質問(FAQ)
Q. マッチングアプリで結婚する人は、どれくらいいますか?
国立社会保障・人口問題研究所の調査では、2018年7月〜2021年6月に結婚した夫婦の13.6%が、SNSやアプリなど、インターネットを使ったサービスで知り合っています。これは、アプリだけの数字ではない点に、ご注意ください。
Q. どのアプリが一番、結婚できますか?
この記事では、特定のアプリの優劣は、示していません。「成婚率」は、定義や調査方法が、アプリごとに異なります。自分の目的、年代、安全対策、料金などを、総合的に見て、選んでください。
Q. 本人確認は、必要ですか?
アプリによって異なりますが、本人確認を行うアプリのほうが、安全面では安心できる場合があります。ただし、本人確認があっても、詐欺を完全に防げるわけではありません。
Q. LINEに移ろうと言われました。応じるべきですか?
早い段階で、アプリから、LINEなどの外部のサービスに移るよう求められた場合は、注意が必要です。国民生活センターや、警察庁も、手口の例として紹介しています。応じるかどうかは、慎重に判断してください。
Q. 投資の話をされましたが、本当にもうかるのでしょうか。
国民生活センターは、マッチングアプリ等で知り合った相手の指示で、投資をするのはやめるよう、アドバイスしています。投資を勧められたら、相手が誰であっても、きっぱり断ってください。
Q. すでにお金を送ってしまいました。
追加で送金せず、すぐに、消費者ホットライン「188」や、警察相談専用電話「#9110」に相談してください。送金先や、やり取りの記録を、保存しておくと、相談しやすくなります。
Q. 結婚相談所とアプリは、どちらがいいですか?
この記事では、優劣は比べていません。サポートの手厚さ、費用、自分のペースなど、重視したい点によって、選び方が変わります。複数の方法を、比べてみる方法もあります。
まとめ
- 公的調査では、2018年7月〜2021年6月に結婚した夫婦の13.6%が、SNSやアプリなどのネットで知り合っている
- アプリは、ランキングや成婚率の数字ではなく、目的、会員層、料金、本人確認・安全対策で比べる
- ロマンス投資詐欺は、早い段階での外部アプリへの移行、投資の勧誘、結婚や将来を理由にした送金の要求が特徴
- 警察庁の公表では、SNS型ロマンス詐欺の最初の接触手段は、マッチングアプリが最多
- お金の話が出たら疑い、送る前に、188や#9110に相談する
出会いの手段が増えることは、選択肢が増えることでもあります。安全の基本を押さえて、自分のペースで、焦らず進めてください。
参考にした公的情報(2026年10月確認)
- 第16回出生動向基本調査 結果の概要(2021年)|国立社会保障・人口問題研究所
- 「愛してるから投資して」っておかしくない!?-マッチングアプリ等で知り合った人に騙されないためのチェックリスト-|国民生活センター
- 令和7年10月末における特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について(暫定値)|警察庁
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