学生のSNSトラブルで最も多いのは「知らない番号からの電話」で、次いで「SNS上の炎上・誹謗中傷・人間関係のトラブル」、そして「偽サイトへの個人情報入力」という結果が、トビラシステムズ株式会社の2025年8月調査で明らかになっています。
「うちの子、スマホでSNSを使っているけど、実際どんなトラブルが多いんだろう」
そう感じたことはありませんか。
この記事では、トビラシステムズ株式会社が2025年8月1日から8月5日にかけて実施した中高生・保護者アンケート調査をもとに、学生のSNS・スマホトラブルのランキングと、その背景、そして家庭でできる対策を分かりやすく整理します。
この記事でわかること
- 学生のSNSトラブルの被害パターンランキングTOP5
- トラブルに遭った学生が「誰に相談したか」の実態
- 保護者と学生の間にある「気づき」のギャップ
- インターネット広告に関するストレスの実情
- 家庭でできる具体的な対策
学生のスマホ・SNSトラブル、実際どのくらい起きている?
まず結論から言うと、中高生の4人に1人(24.9%)が、スマホを使っていてトラブルに巻き込まれた、または巻き込まれそうになった経験があると回答しています。
この数字のもとになっているのは、トビラシステムズ株式会社が2025年8月1日から8月5日にかけて実施したインターネット調査です。
全国の12〜18歳の学生1077名と、中高生の子どもと同居する30〜59歳の保護者1084名を対象にしています。
調査の詳細は、トビラシステムズ株式会社が2025年8月8日に公開したプレスリリース「【中高生4人に1人がトラブル】夏休みに親子で話そう『スマホの安全』」(PR TIMES掲載、URL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000184.000034282.html)で確認できます。
まず前提として押さえておきたいのは、中高生のスマホ所持率がすでに93.6%に達しているという点です。
スマホは今や中高生にとって「持っているのが当たり前」の存在になっており、それだけ日常的にリスクとも隣り合わせになっているということでもあります。
筆者としては、この所持率の高さそのものよりも、「4人に1人がトラブル経験あり」という数字のほうが重く受け止めるべきだと考えています。
学年で言えば、クラスに30人いれば7〜8人が何らかのトラブルに遭遇している計算になるからです。
内閣府が毎年実施している「青少年のインターネット利用環境実態調査」でも、SNSに起因するトラブルとして誹謗中傷やアカウント乗っ取りが継続的に取り上げられてきました。
今回のトビラシステムズの調査は、そうした従来型の指摘に加えて「電話・SMS経由の詐欺的アプローチ」が学生にも及んでいる実態を、具体的な数字で示した点に価値があると感じています。
学生のSNS・スマホトラブルランキングTOP5
ここが今回の記事の核心部分です。
「スマホを通じたトラブルの経験がある」と答えた中高生に、その内容を尋ねた結果は次のようになっています。
| 順位 | トラブルの内容 | 経験率 |
|—|—|—|
| 1位 | 知らない番号からの電話 | 57.4% |
| 2位 | SNSでの炎上・誹謗中傷・人間関係のトラブル | 31.9% |
| 3位 | 偽サイトへの個人情報・クレジットカード情報の入力 | 27.9% |
| 4位 | 使っていない有料サービスからの架空料金請求 | 26.3% |
| 5位 | あやしいバイトの募集や誘い | 20.3% |
意外に思われるかもしれませんが、最も多かったのは「SNSのトラブル」そのものではなく、「知らない番号からの電話」でした。
これは、特殊詐欺や悪質な営業電話が、大人だけでなく中高生のスマホにも普通に届いている実態を示しています。
一方で2位の「SNSでの炎上・誹謗中傷・人間関係のトラブル」は31.9%と、約3人に1人がこの経験をしていることになります。
学生同士の関係性の中で、DMやSNSの投稿がきっかけになるトラブルは、大人が思っている以上に日常的に起きていると考えられます。
さらに注目したいのは、5位の「あやしいバイトの募集や誘い」です。
これはいわゆる「闇バイト」につながる恐れがある誘いで、20.3%が経験していると回答しています。
筆者の見解としては、このランキングの中で最も見過ごされやすいのが、この「あやしいバイトの誘い」だと感じています。
電話や炎上は「トラブルだ」と本人も気づきやすい一方で、バイトの誘いは「お小遣い稼ぎ」のような魅力的な言葉で近づいてくるため、被害だと自覚しにくい傾向があるためです。
過去に報道された闇バイト関連の事件でも、最初の入口はSNSのDMやメッセージアプリでの「簡単なお仕事」募集だったケースが少なくありません。
数字だけを見ると20.3%は5位ですが、事件化したときの深刻度という意味では、むしろ最も警戒すべき項目だと筆者は考えています。
なぜ「誰にも相談しない」学生が4割もいるのか
トラブルを経験した学生に「誰に相談したか」を聞いた結果、最も多かった回答は「誰にも相談しなかった(43.4%)」でした。
「親(保護者)に相談した」という回答は36.7%で、半数にも届いていません。
相談しなかった理由として最も多かったのは「自分で解決できると思ったから(45.3%)」です。
次いで「心配をかけたくなかったから(27.0%)」「怒られると思ったから(24.5%)」と続きます。
これは、子どもなりの「自立心」や「親への気遣い」の表れとも言えます。
裏を返せば、本当は助けが必要な状況でも一人で抱え込んでしまうリスクがあるということです。
筆者としては、この「怒られると思ったから」という理由に特に注目しています。
トラブルに遭った本人が悪いわけではないケースでも、「怒られるかもしれない」という不安が相談の壁になっているとすれば、家庭内でのコミュニケーションのあり方を見直す価値は十分にあると考えられます。
これまでスマホの使い方相談を受けてきた中でも、似たようなケースを何度か見てきました。
たとえば「知らないアカウントから連絡が来て怖かったが、親に言うとスマホを取り上げられると思って黙っていた」というような相談です。
こうした「叱られるかもしれない」という不安を抱えたまま相談を先延ばしにした結果、対応が遅れてしまう例は決して珍しくありません。
だからこそ、トラブルが起きてから話す場ではなく、普段の会話の延長線上で相談できる関係を作っておくことが重要だと感じています。
保護者は子どものトラブルにどこまで気づけているのか
ここで浮かび上がるのが、保護者と学生の間にある「認識のギャップ」です。
学生側は24.9%が「トラブル経験あり」と答えているのに対し、保護者に「子どもがスマホを通じて犯罪やトラブルを経験したことがあるか」と尋ねたところ、「ある」と答えたのは13.6%にとどまりました。
さらに「わからない」と答えた保護者も6.4%存在しています。
つまり、学生本人の申告よりも、保護者が把握している割合は半分程度しかないということになります。
これは、保護者を責めるための数字ではありません。
むしろ、「相談しない学生が4割いる」という前述のデータと合わせて見ると、構造的に見えにくい被害が存在していることが分かります。
筆者としては、この結果は保護者の注意不足というより、「子どもが相談しやすい雰囲気づくり」がまだ十分でない家庭が多いことの表れだと考えています。
普段からスマホやSNSの話題を、叱る目的ではなく雑談として交わしておくことが、いざという時の相談しやすさにつながると考えられます。
SNS上のトラブル、なぜ起きやすいのか
学生が利用するSNSは、X(旧Twitter)、Instagram、TikTok、LINEなど多岐にわたります。
これらの多くは利用規約上13歳以上を対象としていますが、実際には利用実態と規約の間にギャップがあるとも指摘されています。
SNS上でのトラブルとしては、炎上や誹謗中傷のほかにも、次のようなパターンが典型的です。
- 投稿や写真から個人情報が流出する
- 自分の投稿が意図せず炎上を招いてしまう
- 悪気なく他者への誹謗中傷に加担してしまう
- だまされて自分の写真を送らされる「自画撮り被害」
- アカウントの乗っ取り
- SNSで知り合った相手と実際に会い、つきまとい等の被害に遭う
これらは、今回のアンケート調査で挙がった「SNSでの炎上・誹謗中傷・人間関係のトラブル(31.9%)」という数字の背景にある、より具体的な被害パターンと考えられます。
学生同士のやり取りは、大人が管理しているグループチャットとは異なり、閉じた空間で完結しがちです。
そのため、トラブルが起きても外部(保護者や学校)から気づきにくいという構造的な弱さがあります。
なお、SNSの仕様や年齢制限の運用は各サービスの規約変更によって変わることがあるため、最新の情報は各SNSの公式ヘルプで確認することをおすすめします。
SNSトラブルと合わせて知りたい、学生のネット広告ストレスの実態
SNS上のトラブルと同じアンケートの中で、もうひとつ見逃せないのがネット広告に関するデータです。
中高生に「スマホ利用中に表示されるインターネット広告についてどう感じるか」を尋ねたところ、「非常にストレスを感じる」「ややストレスを感じる」を合わせて80.7%にのぼりました。
炎上や誹謗中傷のような対人トラブルだけでなく、日常的に目にする広告そのものも、学生にとって大きなストレス源になっているということです。
不快に感じる広告の内容としては、1位が「詐欺やフェイクのような広告(71.5%)」、2位が「性的なコンテンツの広告(53.9%)」という結果です。
一方、保護者に「子どもに見せたくない広告」を尋ねた結果は、1位が「性的なコンテンツの広告(78.8%)」、2位が「暴力的なコンテンツの広告(69.2%)」でした。
順位こそ違いますが、学生が不快に感じている広告の種類と、保護者が見せたくないと感じている広告の種類は、大きく一致していることが分かります。
筆者としては、詐欺電話や炎上のような「事件性のあるトラブル」ばかりが注目されがちですが、こうした日常的な広告ストレスも、学生のスマホ利用における無視できない課題だと考えています。
なお、同調査ではあわせて「不快な広告を非表示にできるアプリ」への関心についても聞いており、学生の約8割、保護者の約7割が前向きな回答をしています。
この設問は、迷惑電話対策や広告ブロック関連のサービスを手がける調査主体の事業領域とも関わりが深いテーマです。
そのため、この結果は特定のサービスを勧める情報としてではなく、あくまで「広告ストレスへの関心の高さを示す統計」として捉えるのが適切だと筆者は考えています。
学生のSNSトラブルを防ぐために家庭でできること
ここまでのデータを踏まえると、家庭でできる対策のポイントは大きく3つに整理できます。
1. スマホを持たせる前にルールを一緒に決める
一方的に押し付けるのではなく、子どもと話し合いながらルールを作ることが有効です。
「実際に会ったことのない人とはやり取りをしない」「あやしいバイトの誘いには乗らない」といった具体的な内容にすると、子ども自身も納得しやすくなります。
2. 相談しやすい雰囲気を日頃から作る
「怒られると思ったから相談しなかった」という回答が24.5%あったことを踏まえると、この点は特に意識したいポイントです。
トラブルの有無に関わらず、普段からSNSの話題を気軽に話せる関係性を作っておくことが重要だと考えられます。
3. 保護者以外の相談先も知っておく
学校の先生や、SNS関連のトラブルを扱う相談窓口・ホットラインなど、親以外にも相談できる選択肢があります。
こうした選択肢を、事前に子どもと共有しておくと安心です。
なお、こうした調査結果や統計はアプリの仕様変更・調査時期によって傾向が変わる場合があるため、最新の情報は公式発表もあわせて確認することをおすすめします。
考察:数字の裏にある「見えないトラブル」の構造
ここからは筆者としての見立てを述べます。
今回のデータで最も重要なポイントは、単純な「トラブルの発生率」ではなく、「学生が抱え込んでしまう構造」にあると考えています。
トラブル経験者の4割が誰にも相談していないという事実と、保護者の把握率がその半分程度にとどまっているという事実は、コインの表と裏の関係です。
つまり、家庭内で「見えているトラブル」は、実際に起きているトラブルのごく一部に過ぎない可能性があります。
内閣府の「青少年のインターネット利用環境実態調査」など、これまでも中高生のSNS利用に関する統計は繰り返し発表されてきました。
そうした調査の多くは、いじめへの関与や自画撮り被害、アカウント乗っ取りといった「SNS発」のトラブルに焦点を当てる傾向がありました。
今回のトビラシステムズの調査が示した「知らない番号からの電話」が最多という結果は、そうした従来の枠組みではやや見落とされがちだった領域です。
SNSという言葉から連想されるトラブルは炎上や誹謗中傷が中心になりがちですが、実際には特殊詐欺やフィッシング詐欺に近い「電話・SMS経由」のリスクが、学生の生活にもすでに入り込んでいるということです。
この点は、これまでの記事執筆やスマホ相談の中でも実感してきたことで、「SNSだけ気をつけていればいい」という発想自体を見直す必要があると筆者は考えています。
今後については、スマホの利用開始年齢がさらに下がっていく可能性を踏まえると、こうしたトラブルへの遭遇率はしばらく高止まりする、あるいは緩やかに上昇していくと予測しています。
一方で、保護者側の広告対策アプリやフィルタリング機能への関心の高さ(導入意向約7割)を見る限り、家庭側の防御意識自体は着実に高まっていると評価できます。
大切なのは、こうしたツールの導入と同時に、「トラブルに遭っても相談していい」という空気を家庭内に作ることだと、筆者としては考えています。
道具だけでは、相談しない4割の壁は超えられないからです。
まとめ
学生のSNS・スマホトラブルで最も多いのは「知らない番号からの電話」で、次いで「SNSでの炎上・誹謗中傷・人間関係のトラブル」という結果でした。
トラブル経験者の4割が誰にも相談しておらず、保護者が把握しているトラブルは学生の申告の半分程度にとどまっています。
また、インターネット広告についても学生の8割がストレスを感じており、SNSトラブルと並んで無視できない課題であることが分かりました。
まずは家庭で、トラブルの種類とその実態を知ることから始め、子どもが安心して相談できる関係づくりを意識してみてください。
この記事は2026年7月時点の情報をもとに作成しています。
引用した調査データは2025年8月時点のものであり、今後の追加調査や仕様変更により傾向が変わる可能性があります。
最新の内容は、調査を実施したトビラシステムズ株式会社の公式発表もあわせて確認することをおすすめします。
よくある質問
Q. 学生のSNSトラブルで一番多いのはどんな内容ですか?
最も多いのは「知らない番号からの電話」で57.4%、次いで「SNSでの炎上・誹謗中傷・人間関係のトラブル」が31.9%という結果でした。
Q. トラブルに遭った学生は、誰に相談していますか?
「誰にも相談しなかった」が43.4%で最も多く、「親(保護者)に相談した」は36.7%にとどまっています。
Q. 保護者は子どものトラブルにどのくらい気づいていますか?
保護者で「子どもがトラブルを経験した」と認識しているのは13.6%で、学生本人の申告(24.9%)のおよそ半分にとどまっています。
Q. インターネット広告にストレスを感じている学生はどのくらいいますか?
「非常にストレスを感じる」「ややストレスを感じる」を合わせると80.7%にのぼり、詐欺的な広告や性的なコンテンツの広告への不快感が特に強い結果でした。
