LINEを2台持ちして別アカウントで使い分けたい——そう考えている方に向けて、iPhone・Android両方の設定手順を整理してお伝えします。結論から言うと、「別の電話番号」と「2台目の端末」があれば、LINEの別アカウント運用は正攻法でできます。
LINEで別アカウントを持つには何が必要か?
まず最初に押さえておくべき大前提があります。
LINEのアカウントは、1つの電話番号につき1つしか作れません。
同じ番号で2つ目のアカウントを作ろうとすると、既存のアカウントを削除してから新規作成するかどうか確認する画面が出てきます。つまり、強制的に上書きになってしまうんです。
ということは、2つ目のLINEアカウントを作るには、まだLINEに登録していない別の電話番号が必ず必要になります。これは絶対条件です。
また、2020年以前はFacebook連携を使えば電話番号なしでLINEアカウントを作れましたが、LINEは2020年頃にFacebookログインによる新規登録の受け付けを段階的に終了しており、現在の日本国内ではその方法は使えなくなっています。「電話番号なしでLINE複数アカウントが作れる」という情報を見かけたら、それは古い情報です。
povo2.0でLINE用の2台目電話番号を費用を抑えて取得する方法
別の電話番号を手に入れる方法は、大きく2パターンあります。
固定電話を使う方法
実家暮らしで固定電話がある方、自宅に固定電話を引いている方なら、その番号が使えます。LINEは音声通話による認証に対応しているため、携帯電話の番号でなくても登録できます。余分なコストがかからないので、該当する方にとっては一番お手軽な選択肢です。
格安SIMを契約する方法
固定電話がない場合、格安キャリアで新しい回線を契約するのが現実的です。
KDDIが提供するpovo2.0は、基本使用料が0円で番号を維持できる点が特徴です。番号を維持するには、180日に1回以上トッピングを購入する必要があります。執筆時点(2025年6月)での最安値のひとつは「データ追加1GB(7日間)」で220円(税込)。このトッピングを半年に1回購入し続ければ、1年あたりおよそ440円でLINEアカウント用の電話番号を維持できる計算です。
ただし料金・トッピング内容・維持条件は変更されることがあります。最新の正確な情報は必ずpovo2.0の公式サイトでご確認ください。
格安SIMと同時にスマホ本体も購入すれば、2台持ち環境が一気に整います。
iPhoneで2台持ち・別アカウントの切り替え設定
iPhoneを使っている方にとって、これが一番のネックになります。
iPhoneには「ツインアプリ」も「マルチユーザー」機能もありません。
Androidスマホには搭載機種があるこれらの機能が、iPhoneには存在しないのです。そのため、1台のiPhoneで2つのLINEアカウントを快適に使い分けることは、正規の方法では難しいのが現状です。
では、iPhoneユーザーはどうするか?答えは「2台持ち」です。
2台目として使う端末はキャリア契約していない古いiPhoneでも問題ありません。Wi-Fi環境さえあればLINEは使えます。引き出しに眠っている前の機種があれば、それを活用する手があります。
LINEのヘルプセンターでは、iPhoneはメイン端末として1台で1アカウントを使う前提の説明になっており、サブ端末(メインとは別の端末として同じアカウントで使うこと)としてiPhoneを使う機能はLINEには用意されていません。
つまり、iPhoneで2台持ちをするなら、それぞれのiPhoneに別々の電話番号で別々のアカウントを作るという形が正解です。
eSIMで2回線入れてもiPhoneのLINEは2つ使えない
Appleコミュニティでも質問が多い話題なのでここで整理しておきます。
iPhoneにeSIMを導入して電話番号を2本持っても、LINEアプリを2つインストールすることはできません。
eSIMによるデュアルSIMは通話・通信を2回線で管理するための機能であって、LINEアプリを複数起動するための機能ではないからです。iPhone上でLINEは1つのアプリとして動作するため、eSIMが2枚あっても別アカウントを同時に使う環境は作れません。
「eSIM入れれば2つのLINEが使えると思っていた」という方が実際にいますが、これは別の話です。iPhoneで別アカウントのLINEを使いたい場合は、物理的に2台目の端末を用意することが現時点では唯一の現実的な方法です。
AndroidでLINEを別アカウントに切り替える設定手順
Androidスマホを使っている方は、選択肢が広がります。
別端末を使う場合(基本の方法)
2台目のAndroidスマホやタブレットに別の電話番号でLINEを新規登録するのが、もっともシンプルな方法です。操作手順は通常の新規登録と変わりません。
マルチユーザー機能を使う場合(1台で対応)
一部のAndroidスマホには「マルチユーザー」機能が搭載されています。これは1台のスマホを複数のユーザーで使い分けられる機能です。
なお、Google Pixelなど一部のAndroid端末ではマルチユーザー機能が搭載されていない、または設定メニューに表示されない場合があります。「自分のスマホは対応しているか」は以下の手順で確認してください。
「設定」アプリ→「システム」→「複数ユーザー」の項目を探します。この項目が表示されれば対応機種です。
AndroidのマルチユーザーでLINEを2つ目のアカウントで使う手順は次のとおりです。
- 「設定」→「システム」→「複数ユーザー」をタップ
- 「複数ユーザーの使用」をオン→「ユーザーを追加」を選択
- 新しいユーザー追加時に「通話とSMS」をオンにしてから「新しいユーザーに切り替え」をタップ
- 画面ロック解除後、Googleアカウントでログインしてセットアップを進める
- PlayストアからLINEをインストールして、新しい電話番号で新規登録する
※「通話とSMS」をオフのままにするとPlayストアが使えなくなるので注意してください。この設定を見落としがちで、「なぜかPlayストアが開けない」という状態に陥るケースがあります。
ユーザーの切り替えは、画面上部のクイック設定パネルを開き、右上のユーザーアイコンをタップするのが最も手軽です。ロック画面から切り替えられる機種もあります。
ツインアプリ(デュアルメッセンジャー)機能を使う場合(対応機種のみ)
一部のAndroid端末には、LINEのアプリを複製して別アカウントで並行運用できる機能があります。機種によって名称や場所が異なるため、以下を参考に確認してください。
Samsung(Galaxy)の場合
「設定」→「高度な機能」→「デュアルメッセンジャー」の順にタップすると、対応アプリの一覧が表示されます。LINEのトグルをオンにすると複製版のLINEアプリが追加され、別アカウントで使えます。Galaxy S・Aシリーズの多くで確認できるメニューです。
Xiaomiの場合
「設定」→「アプリ」→「デュアルアプリ」の順にタップします。LINEを選択してオンにすることで複製が作成されます。Redmiシリーズも同じ手順で対応しています。
使っているスマホがSamsungでもXiaomiでもない場合は、設定アプリ内で「ツイン」「デュアル」「クローン」などのキーワードで検索してみてください。OPPO・vivoなどの端末でも類似機能が搭載されているケースがあります。
2台持ちのLINE別アカウント運用で注意すること
実際に2つのアカウントを運用していくうえで、意外と見落としがちな点があります。
「知り合いかも?」にサブ垢が表示されるリスク
メインアカウントで電話帳の連絡先を共有している状態だと、サブ垢の番号が相手の電話帳に登録されていれば「知り合いかも?」に出てしまいます。サブ垢をバレずに使いたいなら、メインアカウントの連絡先を共有しない設定にしておくことが重要です。
筆者も最初の数日間はこの設定を忘れていて、ある日メインの友人から「新しい番号に変えたの?」と聞かれてヒヤリとした経験があります。設定は新規登録直後に確認するのが正解です。
アカウントの取り違えに注意
2台持ちをしていると、うっかり使う端末を間違えることがあります。「仕事の連絡をしたつもりが、プライベートのアカウントから送ってしまった」というミスは笑い話にならないケースもあります。
筆者は端末のカバーを色で分けています。仕事用は黒、プライベート用は明るい色、という具合に。これだけで取り違えがほぼなくなりました。シンプルですが効果的です。
タイムラインの投稿内容
タイムラインにアップした写真や投稿の内容から、サブ垢の存在に気づかれてしまうこともあります。個人が特定されやすい情報の投稿には注意が必要です。
PCではアカウントを新規作成できない
LINEのPC版はサブ端末として使えますが、アカウントを新規作成する機能がありません。2020年以降、PC版からの新規登録はできなくなっています。2台目の端末はスマホかタブレットである必要があります。
考察:2台持ち運用のコスト感とLINEの設計思想
使い分けの快適さとコストの現実
筆者自身、しばらく前から仕事用とプライベート用にLINEのアカウントを分けて使っています。最初は「そこまでする必要があるか?」と思っていたのですが、やってみると想像以上に快適でした。
仕事関係の連絡が休日にバイブする煩わしさがなくなったことが、まず一番の変化です。端末ごとに通知をオン・オフできるので、メリハリがつきます。i-modeの時代、仕事とプライベートでメールアドレスを分けていたのと似た感覚です。形は変わりましたが、「切り替える」という発想はむしろ昔から自然なことだったのかもしれません。
電話番号の維持費は年間数百円程度に抑えられるとして、中古のスマホなら本体代も大幅に抑えられます。「仕事とプライベートを分けられる精神的な余裕」を天秤にかけたとき、個人的には十分にペイすると感じています。
iPhoneユーザーとして感じる不便さ
Androidユーザーにとっては、マルチユーザー機能やツインアプリという「1台で完結できる選択肢」があります。iPhoneユーザーの私としては正直うらやましい部分もあります。
マルチユーザーは筆者自身はAndroidのサブ機で試したことがあるのですが、最初に「通話とSMS」の設定を見落としてPlayストアにアクセスできなくなり、慌てて設定を見直した経験があります。手順自体は難しくないのですが、ひとつひとつのステップに意味があるので、順番通りに進めることが大切です。
Galaxyのデュアルメッセンジャーは知人のスマホで確認させてもらいました。設定アプリからあっさり見つかり、トグルをオンにするだけでLINEが複製されたのには少し驚きました。iPhoneにも同じ機能があれば、と思わずにはいられません。
LINEが「電話番号1つにアカウント1つ」の設計を変えない理由
では、なぜLINEはInstagramのようなアカウント切り替えを実装しないのか。これは単なる技術的な遅れではなく、本人確認の設計思想に深く関わっていると筆者は考えています。
LINEは日本国内でのサービス開始当初から、「電話番号=本人」という認証モデルを採用してきました。これはなりすまし・詐欺・ハラスメントアカウントの大量生成を抑制するための設計です。電話番号の取得には一定のコストと実名性が伴うため、悪意ある複数アカウント運用へのハードルが自然と上がります。
また、LINEは国内の通信キャリアと連携したサービス展開を行ってきた経緯もあります。電話番号認証を核に置くことで、SMS・音声通話を経由した認証フローを維持しやすいという側面もあります。
つまり、LINEが「1番号1アカウント」を崩さないのは、利便性よりも信頼性と安全性を優先した設計判断だということです。マルチアカウントへの需要が高まる中でも、この方針が変わりにくい根本的な理由がここにあります。
Instagramのような気軽な切り替えを実現するには、電話番号認証に代わる本人確認の仕組みを導入するか、複数アカウント運用を公式に認める形でリスクを再設計する必要があります。それが実現されるかどうかは、LINEの事業判断と不正対策の進化次第です。少なくとも現時点では、ユーザーは「2台持ち」という現実的な回避策を取るしかありません。
まとめ
LINEを2台持ちで別アカウントとして使い分けるための要点を整理します。
- iPhone:ツインアプリ・マルチユーザー機能なし。別の電話番号を用意した2台目の端末が唯一の方法。eSIMで2回線にしてもLINEは1つしか使えない。
- Android:マルチユーザー(設定→システム→複数ユーザー)またはツインアプリ(Galaxy→設定→高度な機能→デュアルメッセンジャー、Xiaomi→設定→アプリ→デュアルアプリ)を使えば1台でも別アカウントの切り替えが可能。ただしPixelなど非対応機種もある。
- 費用:2台目の電話番号維持にはpovo2.0が低コスト。「データ追加1GB(7日間)」などのトッピングを180日に1回購入する必要がある。最新の料金・条件は公式サイトで確認のこと。
運用時は「知り合いかも?」対策として連絡先共有の設定を新規登録直後に確認を。端末は色違いのカバーなどで物理的に区別しておくと取り違え防止になります。
よくある質問
iPhoneのeSIMで2回線にしたらLINEも2つ使えますか?
使えません。eSIMは通信回線を2つ持てる機能であって、LINEアプリを2つ起動する機能ではありません。iPhoneで別アカウントのLINEを使うには2台目の端末が必要です。
電話番号なしでLINEの別アカウントを作ることはできますか?
現在の日本国内では不可能です。以前はFacebook連携で作れましたが、2020年以降はその方法は利用できなくなっています。新しいアカウントを作るには、まだLINEに登録していない電話番号が必要です。
AndroidのマルチユーザーでLINEを使い分けるとき、トーク履歴はそれぞれ独立していますか?
はい、別ユーザーとして設定した環境はそれぞれ独立しているので、トーク履歴も完全に分かれています。プライベートと仕事の内容が混在する心配はありません。
